2026年3月19日木曜日

和音の書き方の種類(音程法・音符法)

 点字楽譜では和音を横に並べて書きます。書き方には、「音程法」と「音符法Ⅰ」、「音符法Ⅱ」の3種類があります。「音符法Ⅱ」は、ほとんど使われなくなったので、ここでは説明を省略します。

「音程法」は、和音を基準の音との音程(度数)で表します。基準の音符(最低音)を書き、その後に基準の音に近い順に、基準音との度数を書いていきます。

たとえば、下からドミソの和音を表すときは、まず最低音のドを書き、ド と ミ は3度離れているので3度、ド と ソ は5度離れているので5度、 つまりド、3度、5度 と書きます。

ドミソの和音(音程法)

「音符法Ⅰ」は、和音を基準の音と従音の音名で表します。音名(ドレミファソラシ)は、点字では6点のうち上の4つの点で表せるので、それを下にずらして下の4つの点で表したものを従音の音名とします。基準の音符(最低音)を書き、その後に基準の音に近い順に、従音の音名を書いていきます。

たとえば、下からドレミの和音を表すときは、まず最低音のドを書き、 従音のミ、従音のソ と書きます。  

ドミソの和音(音符法Ⅰ)

上記は、和音を書く方向を下から上へとした場合の説明ですが、和音を書く方向を上から下へとする場合もあります。原則は下から上へですが、ピアノの右手は通常、上から下にします。

基準の音符に音列が必要かどうかは、基準音のみの音符のときと同じルールです。

以下のようなときは、従音の前に音列が必要です。

  1. 基準音と次の従音が9度以上離れているとき
  2. 従音と次の従音が8度以上離れているとき
  3. 隣の音が1度(同じ音)だったり、方向に反しているとき

読者は点訳者に、自分の希望する和音の書き方(音程法・音符法)と和音の方向を伝えます。


2026年1月22日木曜日

楽譜の構成の変更

 作成中の楽譜の構成を変更したいとき、

・現在の構成の下にパートを追加したいとき、かつ、すべてのパートで翻訳ができているとき

メニューの編集→初期設定の変更→楽譜の構成の変更 で追加することができます。


・すべてのパートで翻訳ができていないとき、現在の構成の途中に追加・削除したいとき、現在の構成を変更したいときなど

1.もう一つ別のビースコアを起動します。Widowsキーからビースコア [バージョン番号]を起動します。または画面(通常は下)のタスクバーの、ビースコアのアイコンを右クリックするとメニューが出てきますので、ビースコア [バージョン番号]を選びます。

バックアップファイルがあります。読み込みますか? と聞いてきたら、いいえを選びます。

2.新規作成を選び、次に表示される、「楽譜の初期設定(2)」で、
パートは「その他」を選び、次へボタンを押します。

3.目的の内容の楽譜の構成を設定します。例えばピアノ譜の構成としたい場合は、
4.元のビースコアをカレントにして、メニューの編集→かんたんコピー(またはShift+Cキー)で「かんたんコピー」ダイアログを開き、元のビースコアから取り出したいパートを指定します。元のビースコアデータで連続していて、目的の楽譜構成でも連続しているパートならば、複数パートをまとめてコピーすることも可能です。
コピー実行ボタンを押します。コピーする内容がクリップボードにコピーされます。

5.新しいビースコアをカレントにして、メニューの編集→かんたん貼り付け(またはShift+Vキー)で「かんたん貼り付け」ダイアログを開き、コピーしたデータを張り付ける先を指定します。

6.ヘッダ部、トップ行は、かんたんコピーではコピーできませんので、元のビースコアで1行ずつ選択してCtrl+C、新しいビースコアでCtrl+Vで、移してください。

言語の設定

 ビースコアのヘッダ部・歌詞の言語は2種類の選択があり、どちらの設定かによって翻訳規則が異なります。

ヘッダ部に1の点を入力したら、「あ」と翻訳されるのが「日本語」モード、「a」と翻訳されるのが「英語(アルファベット)」モードです。


日本語モードでは、日本語の中にアルファベットを書く規則(外国語引用符⠦~⠴で囲む、外字符⠰を前置する)があります。


逆に、アルファベットの中に日本語を書く規則はあいまいです。カッコ⠶で囲む、程度の規則しかありません。

「点訳のてびき第4版」にはP.140に日本語囲み記号⠸⠦~⠸⠴が載っていますが、楽譜点訳にはなじみが薄く、あまり使われていません。

ビースコアで採用している⠠⠶~⠶⠄は、小熊陽子さんというアダージョの元代表と相談し、決めたローカルルールです。これは英語のカギカッコと被ってしまっていますが、カッコ⠶に近く、こちらのほうがむしろ読みやすいのではないかということで採用しています。ただし、あくまでもローカルルールです。


点訳者は、日本語とアルファベットがヘッダ部、歌詞で両方使われているときは、必ず「日本語」モードで、すべてアルファベットのときのみ「英語」モードで点訳してください。


言語の設定の方法は、

・新規作成のとき

ビースコアを起動して「新規作成」ボタンを押すと次に表示される「楽譜の初期設定(2)」のダイアログの左上にある、「言語」で日本語または英語を選びます。

・編集中のとき

メニューの編集→初期設定の変更→言語の変更で、変更できます。

点字は変更されず、翻訳規則のみが変わります。


2025年4月25日金曜日

両手をまたがるスラー

ピアノ譜で両手をまたがるスラーは、 (1)14の点の通常のスラーの前に5の点をつけて表す方法 (2)フレーズのスラーで全体を囲み、最初の手から移るところに5の点、14の点を入れる方法 があります。

(1)14の点の通常のスラーの前に5の点をつけて表す方法 
 
注)ビースコアV5.01では、両手をまたがるスラーは未サポートです。5の点を非翻訳点字に指定してください。

(2)フレーズのスラーで全体を囲み、最初の手から移るところに5の点、14の点を入れる方法 
注)ビースコアV5.01では、両手をまたがるスラーは未サポートです。非翻訳点字に指定してください。

2024年2月13日火曜日

休符の点字

休符も音符と同じように2つの長さを同じ点字で表します。

点字、休符の長さの順に、

①③④の点 M 全休符、または16分休符  

①③⑥の点 U 2分休符、または32分休符 

①②③⑥の点 V 4分休符、または64分休符 

①③④⑥の点 X 8分休符、または128分休符 

2024年2月9日金曜日

楽譜で使う記号の分類

 

点字楽譜で使う点字の記号は、次の6種類に分類できます。

・音符

・休符

・音符・休符の前記号

      音符や休符と密接に関係がある記号。点字は、音符や休符の前に書きます。

・音符・休符の後記号

      音符や休符と密接に関係がある記号。点字は、音符や休符の後に書きます。

・(その他の)楽譜記号

      個々の音符や休符とは直接関係がない楽譜記号。

・一般の記号

   楽譜以外にも使われる一般的な点字記号。

 

前記号や後記号は、記号同士の順番も決まっています。

その他の楽譜記号は、出現する順に書きます。ただし1つの音符に関係する記号群の途中には挿入しません。

 

 ビースコアでは 

ビースコアでは、上記の6種類の記号に対応した6つのメニュー[音符]、[休符]、[前記号][後記号][楽譜記号]、[一般記号]があります。

そしてメニュー内のコマンドは6つのツールバーのボタンと一致しています。メニューとツールバーはどちらを押しても同じです。キー操作ではメニューをご利用ください。

2024年1月2日火曜日

音部記号(ト音記号・ヘ音記号など)について

 点字楽譜では音符がどのオクターブにあるかを表す「音列記号」があるので、音部記号は必要ではありません。

一般的には、「音部記号は、和音の方向(和音の音符を上から書くか、下から書くか)を示す記号として用いる」と言われています。しかしビースコアでは、五線譜で音符が正しいかを確認できるようにするための、純粋に五線譜の表示にのみ影響する記号としています。

したがって、点字の読者が特に希望しない場合は、音部記号は非出力点字とします。音部記号がない場合には不要な3の点、音列も、一緒に非出力点字にするべきかどうかにも、ご注意ください。

音部記号と非出力点字指定の例


2023年12月28日木曜日

ビースコアファイルの分割方法、不要部分の消し方

分割方法

  1.  分割したいファイルを開き、編集→簡単コピーで、 取り出したい部分の開始小節から終了小節番号を指定し、取り出したいパート名を指定します。
  2. もう一つビースコアを起動し、新規作成で、パートの構成は取り出したい部分に合わせた構成にします。
  3. 新ファイルのほうで、編集→簡単貼り付けで、1小節目に張り付けると指定した部分のみのファイルができます。ヘッダは元のファイルから通常のコピー(選択して、Ctrl+C,移動先でCtrl+V)です。


不要部分の消し方
  1. EndキーとDeleteキーを繰り返し押して、不要部分を1行にします。
  2. 先頭にカーソルを置いて、Shift+Endキーで1行全体を選択状態にして、Deleteキーを押すと一気に消せます。 

2023年12月11日月曜日

同じ記号を持つ音符が4つ以上続くときの省略

 スタッカートなどの記号を持つ音符が4つ以上続くとき、最初の音符に記号を2つ書き、最後の音符に記号を1つ書くことで、途中の音符への記号を省略することができます。同様に省略できる記号は、連符記号、装飾音記号、アクセント、テヌート、スラーです。

省略なしのとき

省略ありのとき


2023年12月3日日曜日

8分音符以下の連桁・旗

 点字楽譜では8分音符以下の音符を連桁でつなぐか、旗で表すかの区別はありません。ビースコアの五線譜表示は、拍数や連符などに従って自動でつないでおり、楽典の規則に沿わない部分もありますが、旗を連桁に、またはその逆に変更することはできません。


MusicXMLの入出力についても、旗・連桁の情報は入出力対象外としています。

2023年11月29日水曜日

長く続く音符の途中での強弱変化

長く続く音符の途中に強弱などの変化が書かれていることがあります。部分けと5の点を前置した休符(「5の点を前置した休符」は、点訳者が補った原本にない休符)を使って、変化を正確に表すことができます。新国際点字楽譜表記解説にも載っている方法です。
ただし、記号の位置の拍数は点訳者の判断になるので、点訳者の注を入れて、言葉で伝えてほしいという、読者のかたもいらっしゃいます。

2023年11月27日月曜日

連符中に繰りかえしを入れると点字がほかの点字に変わってしまう。(v4.96)

 連符の中に繰り返しの2345の点があるとき、翻訳すると別の点字に置き換わってしまいます。を非翻訳点字に指定してください。拍数が合わなくなりますので、該当するほかの点字を入力し、非出力点字に指定してください。

2356の点を非翻訳点字に、繰り返し元と同じ点字を入力して非出力点字に
指定する

次のバージョンでは修正済みの予定です。

2023年11月25日土曜日

非翻訳点字、非出力点字について

ビースコアでは、「音符表示ができず、点字の下に赤線が引かれている。」状態を「翻訳できない」状態と言っています。 翻訳できないところは、毎回、エラーメッセージがでてきます。「今後翻訳エラーを非表示にしますか?」とメッセージがでて、「はい」を押すとメッセージは出なくなりますが、表示は変わりません。ビースコアはまだまだ、完璧に点字を五線譜に表示するには力不足で、未サポートの記号や、未サポートの点訳規則があります。 点訳者は未サポートの点字を書きたいが、書くと翻訳できなくなるときは、その点字を入力してから「非翻訳点字」に指定します。 また逆に、点訳の規則からはこの点字を入れないが、入れないと翻訳できないときは、その点字を入力してから「非出力点字」に指定します。 非翻訳点字にするには、 対象の点字をマウスでドラッグして反転させ、Shift+Nキー、またはマウス右ボタンを押してポップアップメニューで非翻訳点字指定・解除を選ぶ。 非翻訳点字は赤く表示される。点字印刷したときにはこの点字は出力される。五線譜表示には反映されない。 非出力点字にするには、 対象の点字をマウスでドラッグして反転させ、Shift+Oキー、またはマウス右ボタンを押してポップアップメニューで非出力点字指定・解除を選ぶ。 非出力点字は緑色に表示される。点字印刷したときにはこの点字は削除されて左に詰められる。五線譜表示には反映される。  設定を解除したいときは、どちらも再度同じ操作をしてください。

入力した点字を「非翻訳」点字に指定すると、
  ビースコアで五線譜には表示されませんが、その点字はBSEファイルや点字印刷では出力されます。
 
入力した点字を「非出力」点字に指定すると、
  ビースコアで五線譜には表示しますが、その点字はBSEファイルや点字印刷では出力されません。 

2023年11月24日金曜日

文字記号で始まる記号の終了(改定しました2023.11.24)

 文字記号(345の点)で始まる記号(強弱記号、略語、単語)は、略語でつづりの省略をしめすピリオドがあれば、それを示す3の点が記号の終了を表しています。

略語dim.のピリオドが略語の終了を示す


ピリオドがない記号の場合、後続の点字に123の点がない場合(アルファベットではないことが明白なので)、そのままで終了を示しています。

arcoはピリオドがないが後続の音列に123の点がないので、そのままで終了を示す


後続の点字に123の点がある場合は3の点を挿入し、記号の終了を明確にします。

BUG!! 3の点がなくても翻訳できてしまいますが3の点を入れて非翻訳点字にしてください。(V4.96)

arcoはピリオドがなく後続のフラットには12の点があるので、3の点を挿入

ただし強弱に関する記号が連続する場合は、3の点を挿入しなくてよいことになっています。


強弱記号p、クレッシェンド開始が続く場合は3の点を挿入しない

2023年9月11日月曜日

コード行にステム記号を入れた楽譜を全体演奏させると強制終了することがあります

1小節に複数のコード記号があるとき、不均一の長さにするにはステム記号を入れますが、コード行にステム記号を入れた楽譜を全体演奏させると強制終了することがあります。 コード行にステム記号を入れた楽譜を全体演奏させたいときは、コード行以外の行にカーソルを置き、Shift+Pキーで1パートずつ演奏させてください。 次のバージョンでは修正済みの予定です。

1小節にコードが複数あり、拍数が不均一のときの表しかた

コードの行の1小節に、複数のコード記号があるときは、各コード記号は均等の長さになります。 例えば4拍子の小節にコード記号が2つあるときは、2拍ずつの長さになります。 複数のコード記号の長さが均等でないとき(例えば4拍子の小節に3拍のコードと1拍のコードがあるときなど)は、 ステム記号をコード記号の後に入れて、コードの長さを指定することができます。 1つのコード記号の後に複数のステム記号を入れるとその合計の長さになります。付点を入れることもできます。 ステム記号がないコード記号は、残りの拍を均等に分割した長さになります。

2023年8月18日金曜日

文字記号で囲む用語と、文字記号で始まる用語

文字記号(345の点)で囲む用語は、複数の単語、単語と強弱記号、単語と略語が一連のものと意味を成すとき、全体を文字記号で囲んで表します。 最後の文字記号の後に1マスあけます。小節の途中に入れる場合は、文字記号の前に5の点、マスあけを入れます。
文字記号で始まる用語は、1単語の用語のとき、前に文字記号を入れて表します。略語のピリオドは3の点で表します。 次に、123の点がある文字記号以外の点字がくるときは、3の点を入れて用語の終了を明示します。
ビースコアでは登録されている単語以外は1単語の用語とすることができず、非翻訳点字に指定しないと翻訳できません。

2023年7月26日水曜日

マスあけは小節線を意味してしまいます

点字楽譜では小節線をマスあけで表します。

小節の途中にマスあけを必要とするときは、小節線でないことを明記するため、5の点を前につけます。

ビースコアは厳密なチェックができていないため、不要なマスあけをしても翻訳できてしまうことが多々ありますので、くれぐれもご注意ください。




2023年7月10日月曜日

タイとスラーの使い分け

 同じ音程の2音が弧線で結ばれているとき、タイにしない場合があります。


同じ音程の2音両方にスタッカートがついているときは、つなげずに切って演奏するのでスラーにします。
2番目の音にのみスタッカートがついているときは、つなげて演奏するのでタイにします。


2023年6月24日土曜日

松葉終了記号の省略

 松葉終了記号は、次の記号が直後にくるときは省略できます。

1.ほかの松葉開始記号

2.強弱記号(p、mfなど)。

3.1音にかかるsf、sfz、rfz等の記号。(将来はオプションで変更可能とする)

強弱に関する略語(cr.、decr.、dim.等)は松葉終了記号を省略できません。

デクレッシェンド開始・終了、sf、デクレッシェンド開始・終了、dim. の
順に書かれている楽譜例
sfの前のデクレッシェンド終了は、省略できる。
dim.の前のデクレッシェンド終了は、省略できない。


ビースコアV4.96では、

・強弱に関する略語でも松葉終了記号を省略可能としてしまっています。上記の例で、dim.の前の非翻訳点字のデクレッシェンド終了記号は、本来は必要ですがなくても終了してしまいます。

・松葉を表示しない場合があります。本来は不要な松葉終了記号を入力すると表示できることがあります。上記の例で、sfの前の非出力点字のデクレッシェンド終了記号は、本来は不要です。



和音の書き方の種類(音程法・音符法)

 点字楽譜では和音を横に並べて書きます。書き方には、「音程法」と「音符法Ⅰ」、「音符法Ⅱ」の3種類があります。「音符法Ⅱ」は、ほとんど使われなくなったので、ここでは説明を省略します。 「音程法」は、和音を基準の音との音程(度数)で表します。基準の音符(最低音)を書き、その後に基準...